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油圧作動油の選び方:摩耗防止型と無添加型、現場に最適なのはどっち?
2026/3
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油圧システムにおいて、作動油は動力を伝える「機械の血液」です。しかし、いざ交換や補充をしようとカタログを見ると「摩耗防止型(AW)」や「無添加型(R&O)」といった種類があり、どちらを選べばよいか迷われる方も多いのではないでしょうか。
今回は、工業用潤滑油の専門商社の視点から、この2つの決定的な違いと選定のポイントを分かりやすく解説します。
1. 油圧作動油の「2大勢力」とは?
市販されている油圧作動油のほとんどは、その特性によって以下の2種類に大別されます。
摩耗防止型(AW:Anti-Wear)
金属同士が擦れ合う部分に強力な保護膜を作る「極圧剤(主に亜鉛系など)」が添加されています。
無添加型(R&O:Rust & Oxidation)
「サビ止め(Rust)」と「酸化防止(Oxidation)」に特化したオイルです。摩耗防止剤は含まれていないか、ごく少量です。
2. 【比較表】摩耗防止型(AW)vs 無添加型(R&O)
現場での使い分けを判断するための比較表です。
比較項目 | 摩耗防止型(AW) | 無添加型(R&O) |
主な役割 | 強力な油膜による摩耗低減 | 酸化抑制と防錆による長寿命化 |
得意な環境 | 高圧(14MPa以上)・高速回転 | 低圧・一定温度・安定稼働 |
代表的な用途 | 一般的な産業機械、建設機械 | 軽負荷の減速機、古い油圧装置 |
注意点 | 水分混入でスラッジが出やすい | 高負荷環境ではポンプが焼き付く恐れ |
3. どちらを選ぶべきか?判断の目安
「摩耗防止型(AW)」を選ぶべきケース
現代の多くの油圧機器はこちらが推奨されます。
高圧・高負荷で稼働している: 圧力が高いほどポンプ内部の金属接触が激しくなるため、保護膜が必要です。
機械を長持ちさせたい: 内部部品の摩耗を抑えることで、突発的な故障リスクを低減できます。
「無添加型(R&O)」を選ぶべきケース
特定の条件下では、あえてこちらを選ぶのが正解です。
水分が混入しやすい: 摩耗防止剤(亜鉛系)は水と反応してドロドロの「スラッジ」になりやすく、フィルター詰まりの原因になります。
特定の金属(銀・銅)を使用している: 古い機械や特殊なポンプでは、添加剤が金属を腐食させることがあります。
低負荷でオイルを長持ちさせたい: 添加剤が少ない分、オイル自体の化学的な安定性は高い傾向にあります。
4. 専門商社が教える「失敗しない選定」のコツ
「今までR&Oを使っていたところにAWを入れてもいいのか?」といったご相談をよくいただきます。結論から言えば、「混ぜるのは厳禁」ですが、「フラッシング(洗浄)を伴う切り替え」は、機械の負荷状況によっては非常に有効な改善策になります。
特に、以下のような症状がある場合は、油種の選定を見直すサインです。
油温が異常に上昇する
ポンプから「キーン」という高い異音がする
作動油の色が急激に濃くなった(酸化劣化)
まとめ:最適なオイルは「現場」が決める
油圧作動油の選定に「これさえあれば万全」という唯一の正解はありません。メーカー指定を基本としつつ、現場の稼働状況や温度、水分混入のリスクを総合的に判断する必要があります。
「うちの機械に最適なのはどっちだろう?」と迷われた際は、ぜひ専門商社である弊社にご相談ください。現場の状況を詳しく伺い、最適な1本をご提案いたします。
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