油圧作動油の種類とは?摩耗防止型(AW)と無添加型(R&O)の違いを潤滑商社が解説
目次
1. 油圧作動油の「2大勢力」とは?
市販されている油圧作動油のほとんどは、その特性によって以下の2種類に大別されます。それぞれの役割と添加剤の違いを理解することが、適切な油種選定の第一歩です。
摩耗防止型(AW:Anti-Wear)
金属同士が擦れ合う部分に強力な保護膜を作る「極圧剤(主に亜鉛系など)」が添加されているタイプです。高圧下でも金属接触を防ぎ、ポンプやバルブの摩耗を抑制する役割を担います。現代の油圧機器の多くは、このAW型が標準仕様となっています。
無添加型(R&O:Rust & Oxidation)
「サビ止め(Rust)」と「酸化防止(Oxidation)」に特化したオイルです。摩耗防止剤は含まれていないか、ごく少量に抑えられています。添加剤がシンプルな分、化学的に安定しており、特定の条件下でオイル自体を長寿命化できる特徴があります。
AWは「守りに強いオイル」、R&Oは「劣化しにくいオイル」とイメージすると分かりやすいです。どちらが優れているかではなく、機械の使われ方によって最適解が変わります。
2. 【比較表】摩耗防止型(AW)vs 無添加型(R&O)
現場での使い分けを判断するための比較表です。圧力・温度・水分の混入リスクを中心にチェックしてください。
| 比較項目 | 摩耗防止型(AW) | 無添加型(R&O) |
|---|---|---|
| 主な役割 | 強力な油膜による摩耗低減 | 酸化抑制と防錆による長寿命化 |
| 得意な環境 | 高圧(14MPa以上)・高速回転 | 低圧・一定温度・安定稼働 |
| 代表的な用途 | 一般的な産業機械、建設機械 | 軽負荷の減速機、古い油圧装置 |
| 注意点 | 水分混入でスラッジが出やすい | 高負荷環境ではポンプが焼き付く恐れ |
同じ「AW型」「R&O型」でも、メーカーや銘柄によって添加剤の配合や粘度特性は異なります。カタログ上の分類だけで判断せず、必ず使用条件(圧力・温度・稼働時間)と照らし合わせて選定してください。

