導入事例
大手ゴム製造メーカー
ゴム製造の大型ギア焼付き・発煙を解消|油種変更で生産停止を回避
ゴム製造のカレンダー設備で生じたギアの焼付き・発煙を、設備を止めず添加剤特化の油種変更で解消。生産停止を回避した事例です。
圧延カレンダー設備
ゴム製造の大型ギア焼付き・発煙を解消|油種変更で生産停止を回避
ゴム製造の要であるカレンダー設備で、深刻化していた大型ギアの焼付き・発煙を、設備を止めることなく解消した事例です。汎用鉱物油から極圧添加剤を高濃度に配合した重荷重対応ギアオイルへ切り替えたことで、異常発熱と発煙が沈静化。億単位の生産停止リスクを回避し、旧式設備の延命に成功しました。
お客様の概要
業種:ゴム製造業
対象設備:圧延カレンダー設備(大型ギア・軸受)
潤滑課題:ギアの摩耗・歯面損傷による発煙と異常発熱
導入の背景
ゴム製品の製造工程で中核を担うのが、圧延カレンダー設備です。巨大なロールを低速かつ極めて高い荷重で回転させ続けるこの大型設備は、潤滑管理の面で最も過酷な条件下に置かれています。
長年の稼働による経年劣化が進み、ギアの摩耗や歯面の損傷が少しずつ蓄積していました。設備が動いている限り問題は表面化しにくく、潤滑剤そのものを見直すという発想に至らないまま、稼働が続いていたのが実情です。
直面していた課題
経年劣化は想像以上に深刻でした。ギアの摩耗が進行し、歯面にはピッチングやスコーリングと呼ばれる損傷が目視でも多数確認される状態。摩擦抵抗の増大によって軸受やギアケース全体の温度が異常上昇し、現場では発煙まで確認されるほど事態は切迫していました。
本来であればギアの交換が最善策です。しかし工場の心臓部であるこの設備を長期間止めることは、億単位の生産損失を意味します。さらに旧式設備ゆえに部品調達にも時間を要し、「設備を動かし続けながら、いかにして壊滅的な故障を回避するか」という極めて難しい判断を迫られていました。
歯面の損傷と摩擦抵抗の増大により、軸受・ギアケースの温度が異常上昇。発煙や異音が発生し、放置すればギアの破損に至りかねない危険な状態でした。設備を止めての交換も、稼働継続も、どちらも大きなリスクを抱えていました。
相談のきっかけ
ギアの交換には時間もコストもかかり、稼働を止める余裕もない。打開策を探すなかで、設備そのものではなく潤滑面から対策できないかという観点で、弊社にご相談をいただきました。
弊社ではまず実際に現場へ伺い、設備の稼働状況と使用中の潤滑剤の状態を確認するところから取り組みを始めました。机上のカタログスペックではなく、現場で何が起きているかを把握することを最優先しています。
弊社からのご提案
COLUMN | 関連する潤滑コラム ギアの摩耗・焼付きの原因と適油選定 歯面の摩耗・焼付きはなぜ起きるのか。原因の見極め方と、極圧性を軸にした適油選定の考え方を、メーカーに縛られない専門商社の視点で解説します。 詳しく読む →現場を調査したところ、使用されていた汎用の鉱物油では現在の過酷な荷重を支えきれず、油の膜が押しつぶされて金属同士が直接ぶつかり合う状態に陥っていることが明らかになりました。
そこで弊社がご提案したのは、油の硬さ(粘度)を上げて機械に余計な負荷をかける方向ではなく、金属同士が接触しても傷がつかないよう表面を保護するという、添加剤の機能に特化したアプローチです。具体的には、汎用鉱物油から強力な極圧添加剤を高濃度に配合した重荷重対応ギアオイルへの切り替えです。
汎用の鉱物系
ギアオイル
極圧添加剤を高濃度配合
重荷重対応ギアオイル
提案のポイントは次の通りです。
- 強固な保護膜の形成:油膜が押しつぶされるほどの圧力がかかっても、添加剤が金属表面に瞬時にクッションとなる膜を作り、直接接触(かじり)を物理的に防ぎます。
- 荷重の分散と損傷抑制:すでに傷んだ歯面でも、この保護膜が圧力を分散させ、さらなる欠けや剥離の進行を食い止めます。
- 現場適応型の選定:油の基本的な性質は維持したまま、保護能力だけを極限まで高めた重荷重専用品を選定しました。
「油を替える」のではなく、「今の設備の状態に合わせて、摩耗を止める機能を追加する」。これが専門商社としての知見を活かした解決策でした。
改善結果
オイルの切り替え後、わずか数日間のモニタリングで変化が現れました。現場を悩ませていた異常な発熱が収まり、発煙も完全に解消。異音も静まり、ギアがスムーズに噛み合っていることが確認できました。
もし対策を講じないままギアが破損していれば、修理費用だけでなく生産停止による甚大な損失が避けられませんでした。今回の事例は、設備の動かし方や劣化状態に合わせた正しいオイル選定が、設備の寿命を延ばし無駄なコストを抑える有効な手段になることを示しています。
お客様の声
発煙や異音が止まり、設備を止めずに対応できたのは本当に大きかったです。油を見直すだけでここまで状況が変わるとは思っていませんでした。安心して稼働を続けられるようになりました。
ゴム製造業 設備保全ご担当者様
近畿インペリアルからのコメント
低速・高荷重で回り続けるカレンダー設備のギアトラブルは、油膜が押しつぶされて金属同士が直接接触することが主な原因です。こうした条件では、粘度を上げるよりも極圧添加剤で接触面を保護するほうが、設備に余計な負荷をかけずに摩耗を抑えられるケースが少なくありません。設備の交換が難しい状況でも、潤滑の見直しだけで延命できる余地は十分にあります。創業60年以上・累計約1,000設備の選定経験から、まずは現場の使用環境を把握することをお勧めします。
よくある質問
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