導入事例
大手鉄鋼メーカー
製鉄連鋳設備のウォームギアのかじりを固体潤滑剤で改善|摩耗が減少
連続鋳造設備のウォームギアのかじりに悩む製鉄現場が、固体潤滑剤配合オイルへ切り替え、摩耗を減らした事例です。
連鋳設備
製鉄連鋳設備のウォームギアのかじりを固体潤滑剤で改善|摩耗が減少
製鉄の連続鋳造設備で、ピンチロールを支えるウォームギアの「かじり(凝着摩耗)」が、高性能固体潤滑剤を配合した特殊オイルへの切り替えで減少し、良好な潤滑状態が維持されています。溶けた鉄を延ばすために巨大な圧力がかかる駆動部では、一般的なギアオイルだと金属同士が直接触れ合い、銅合金製のホイールが削られる摩耗が起きやすい環境でした。本事例では、設備を交換せず潤滑剤の質を見直すことで過酷な高荷重下のトラブルを抑えた取り組みを紹介します。
目次
お客様のプロフィール
業種:製鉄業(鉄鋼)
対象設備:連続鋳造設備(連鋳設備)/ピンチロール駆動部のウォームギア
潤滑課題:高荷重下でのウォームギアのかじり(凝着摩耗)と摩耗
導入の背景:ピンチロールを支えるウォームギアの役割
連続鋳造設備(連鋳設備)は、溶けた鉄を一定の厚みに延ばしていく製鉄ラインの中核です。その厚みを調整するために、ピンチロールへ強い力をかけて鉄を押し下げる必要があります。この大きな荷重を支え、ロールを上下に動かして位置を細かく調整しているのが、ネジ状の歯車であるウォームギアです。
ウォームギアは、ネジと歯車を組み合わせたような構造のため、ほかのギア形式に比べて「滑り」ながら力を伝える特性があります。設備そのものは堅牢に造られているため、当初はギアの潤滑が弱点になるとは考えられていませんでした。
直面していた課題:高荷重で起きるかじりと摩耗
ところが、溶けた鉄の厚みを調整するために強い力でピンチロールを押し下げる際、ウォームギアの接触面には極めて高い荷重が集中します。滑りながら力を伝える構造と高荷重が重なるこの環境では、一般的なオイルでは金属同士の直接接触を防ぎきれません。その結果、銅合金製のホイールが少しずつ削り取られるかじり(凝着摩耗)が起きやすい状態にありました。
ウォームギアの接触面に荷重が集中し、銅合金製ホイールの凝着摩耗(かじり)が発生しやすい環境。汎用ギアオイルでは金属接触を防ぎきれず、摩耗とそれに伴うトラブルが散発していました。
相談のきっかけ:銅合金ホイールの摩耗への危機感
重量物を支え、強い圧力をかけ続ける駆動部だけに、ホイールの摩耗が進めば突発的な停止や交換につながりかねません。現場では、設備を入れ替えるのではなく、まず潤滑面から対策できないかという声が高まっていました。そこで、設備環境に合わせた油種選定を独立した立場で行っている近畿インペリアルへ、過酷な高荷重・高スライド環境に耐えられる潤滑剤がないかご相談をいただきました。

弊社からのご提案:固体潤滑剤による表面保護
弊社は、従来の汎用ギアオイルから、高性能固体潤滑剤を配合した特殊オイルへの変更をご提案しました。選定の根拠は、過酷な高荷重・高スライド環境に対して「物理的な保護」と「化学的な保護」を組み合わせた多層的な防御です。
汎用ギアオイル
高性能固体潤滑剤配合
特殊オイル
- 物理的な保護:ベースオイルによる油膜で金属面どうしを隔てる
- 化学的な保護:油膜が押しつぶされそうになった際、固体潤滑剤が金属表面の微細な凹凸に定着する
- 直接接触の遮断:固体潤滑剤がクッションのような保護層を形成し、金属同士の接触を抑える
強い圧力で油膜が薄くなる瞬間でも、この特殊成分が物理的に接触を遮断するため、摩耗防止性能が大きく高まると判断しました。設備そのものには手を加えず、潤滑剤の質だけを過酷な環境に合わせて見直す方針です。
改善結果:摩耗の減少と良好な潤滑状態の維持
オイル変更後、現場でのヒアリング調査により、ホイールの摩耗が減少し、良好な潤滑状態が維持されていることが確認されました。以前の油種で散発していたトラブルも減少傾向にあり、高荷重下での保護機能が十分に発揮されていることが確かめられています。設備を交換することなく、潤滑剤の質を見直すだけで過酷な環境のトラブルを抑えられた点が、本事例の大きな成果です。
お客様の声
以前は摩耗の進み方が気になっていましたが、油を変えてから状態が落ち着き、良好な潤滑が続いています。設備を入れ替えずに対応できたのは大きく、安心してラインを動かせるようになりました。
製鉄業 設備保全ご担当者様
近畿インペリアルからのコメント
ウォームギアのかじりは、滑りながら高荷重を受けるという構造上、汎用ギアオイルでは金属接触を防ぎきれないことが主因です。油膜が押しつぶされる局面では、固体潤滑剤のように金属表面へ定着して接触を遮断する成分が効果を発揮します。設備を交換せずに潤滑剤を見直すだけで、過酷な高荷重下の摩耗を抑えられるケースは少なくありません。創業60年以上・累計約1,000設備の選定経験から、まずは現場の使用環境を整理することをお勧めします。
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