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自動車工場のコンプレッサー酸化対策|適油選定で電力約20%削減

導入事例

大手自動車メーカー

自動車工場のコンプレッサー酸化対策|適油選定で電力約20%削減

高温稼働で酸化が進むコンプレッサーの油劣化と電力ロスに対し、稼働データとオイル分析をもとに最適な油種を選定。電力使用量を約20%削減した事例です。

コンプレッサー

自動車工場のコンプレッサー酸化対策|適油選定で電力約20%削減

高温下でフル稼働する自動車工場のコンプレッサーで、潤滑油の酸化が想定以上に進み、摩擦損失による電力ロス部品摩耗が課題となっていた事例です。稼働データとオイル分析をもとに熱酸化安定性を重視した油種へ切り替えた結果、電力使用量は約20%削減し、部品交換周期も大幅に延びました。設備を変えずに、油の特性を現場の熱負荷へ合致させて生まれた成果をご紹介します。

お客様プロフィール

業種:自動車製造業

対象設備:コンプレッサー(高温・フル稼働)

潤滑課題:油の酸化加速による電力ロスと部品摩耗

導入の背景:高温フル稼働で加速した油の酸化

自動車メーカー様の工場では、コンプレッサーが高温条件下でほぼ常時フル稼働しており、潤滑油の劣化スピードが想定を大きく上回る状況が続いていました。現場では定期的なオイル交換をきちんと実施しており、油脂の管理そのものに大きな問題はないと考えられていました。

しかし実際には、高温環境が油の酸化を加速させ、交換のサイクルだけでは追いつかないペースで劣化が進んでいたのです。「交換しているのに調子が戻らない」という状態が、課題の根を見えにくくしていました。

直面していた課題:止まらない電力ロスと部品摩耗

定期交換を続けているにもかかわらず、現場では次のような負担が慢性的に発生していました。

課題:交換しても解消しない電力ロスと摩耗

摩擦損失による電力使用量の増大が続き、ランニングコストを押し上げていました。あわせて部品の異常摩耗が頻発し、交換対応と突発停止のリスクが現場を圧迫していました。

高温で劣化した油は不溶性成分(スラッジ)を生み、これが油の粘度を不必要に高めて攪拌抵抗を増やします。さらに油膜保持力の低下により金属表面同士が直接触れ合う境界潤滑状態に陥り、摩耗が進んでいました。

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相談のきっかけ

電力コストの上昇と、突発的な部品交換による生産への影響が重なったことで、「オイル交換の頻度や品質を含めて根本から見直したい」という機運が高まりました。そこで、適油選定とオイル分析を専門とする近畿インペリアルへご相談いただいたのが始まりです。単に交換頻度を上げるのではなく、原因そのものに踏み込みたいという問題意識が出発点でした。

弊社からのご提案:熱に負けない油膜構成

私たちがご提案したのは、単純に「グレードの高い油」を勧めることではなく、現場の稼働データとオイル分析に基づいた「熱に負けない油膜構成」です。まず、現在の油がどの程度の熱負荷で分解され始めるのかを定量化し、その限界値を上回る熱酸化安定性を選定の軸に据えました。

変更前

熱負荷で酸化が進む
従来のコンプレッサーオイル

変更後

熱酸化安定性を重視した
コンプレッサー専用オイル

選定にあたって重視したのは、次の3点です。

  • 現在の油が分解し始める熱負荷を定量化し、それを上回る熱酸化安定性を持つ基油を選定の軸に据える
  • 高温時に物理的な油膜が薄くなっても、金属表面に強固な吸着膜を形成する添加剤配合を重視し、油膜切れの際も化学的な保護層で金属接触を防ぐ
  • 油種選定だけで終わらせず、充填量の適正化や放熱環境の微調整など、運用面の改善もパッケージでご提案

高温域でも分子構造が壊れにくい設計の油を採用することで、スラッジの発生を根本から抑え、負荷変動時の摩擦係数を最小限に抑える戦略をとりました。

改善結果:電力約20%削減と部品寿命の延伸

対策実施後、オイルの酸化進行は劇的に緩やかになり、当初の目算を上回る成果が得られました。

約20%
電力使用量を削減
大幅減
酸化・スラッジの進行
延長
部品交換周期
低減
突発停止・予備品コスト

スラッジによる粘性抵抗が排除され、コンプレッサーが本来の効率で作動し始めたことで、電力使用量は約20%の削減を達成しました。あわせて部品交換の周期も大幅に延び、突発的な停止リスクと予備品在庫コストの両面で大きな改善が見られています。潤滑油を単なる「消耗品」ではなく、設備の性能を左右する「機能部品」として捉え直したことが、この成果につながりました。

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お客様の声

お客様の声

油を変えるだけで電力やトラブルがここまで変わるとは思っていませんでした。交換頻度の問題だと思い込んでいましたが、現場の熱に合う油という視点が抜けていたのだと実感しました。安心して稼働を任せられるようになりました。

自動車製造業 設備ご担当者様

近畿インペリアルからのコメント

近畿インペリアルからのコメント

コンプレッサーの油劣化対策は、油のグレードを上げること以上に、現場の熱負荷に油の化学的特性を合致させることが要点です。一般に潤滑油は温度が10℃上がると酸化寿命が半分になるとも言われ、高温環境では交換頻度だけで劣化を抑えるのは容易ではありません。熱酸化安定性の高い設計へ切り替え、運用面まで含めて整えることで、設備を交換せずに電力ロスと摩耗を同時に抑えられるケースは少なくありません。創業60年以上・累計約1,000設備の選定経験から、まずは現場の使用環境を数値で把握することをお勧めします。

よくある質問

コンプレッサーオイルの酸化は、交換頻度を上げれば抑えられますか?
交換頻度を上げるだけでは根本的な解決にならないことが多いです。高温環境では油そのものの熱酸化安定性が追いつかず、劣化が早まります。現場の熱負荷に合った油種を選ぶことが、酸化を抑える近道になります。
油を変えるだけで電力使用量は本当に下がりますか?
スラッジによる粘性抵抗が減れば、攪拌抵抗が下がり電力使用量が改善するケースがあります。本事例では、酸化を抑える油種へ切り替えた結果、電力使用量が約20%削減しました。
グレードの高い油に変えれば問題は解決しますか?
グレードの高さよりも、現場の熱負荷に合った特性かどうかが重要です。稼働データやオイル分析で実際の負荷を把握し、それに合致する油を選ぶことで、過不足のない最適化が可能になります。
オイル分析では何がわかるのですか?
酸化の進行度や粘度の変化、金属摩耗粉の状況などがわかります。劣化の実態を数値で把握できるため、油種選定や交換時期、運用改善の判断材料として役立ちます。
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郁(フミ)
この記事を書いた人
郁(フミ)
近畿インペリアル 営業部 主任

工業用潤滑剤の専門商社に5年間勤務。適油選定・オイル分析サポートから現場での更油作業まで自ら担当し、鉄鋼・食品・プラントなど多業種の設備保全を支援。営業担当としてお客様と現場に向き合い続けた実体験をもとに、「現場の担当者が本当に知りたいこと」を軸に記事を執筆しています。

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