導入事例
大手食品メーカー
食品機械のベアリング摩耗を持続する油膜で改善|給油周期を延長可能に
高頻度な給油でも防げなかった小型ベアリングの異常摩耗は、油膜が長持ちしないことが主因。長く留まる油膜に着目した油種選定で、メンテナンス負荷を軽減できました。
生産設備
食品機械のベアリング摩耗を持続する油膜で改善|給油周期を延長可能に
お客様について
業種:食品メーカー
対象設備:製造ライン(小型ベアリング・ギア駆動)
潤滑課題:ベアリングの破損・ギアの異常摩耗による停止、高頻度な給油による手間
導入の背景
食品製造現場では、安全性を最優先とするため、万が一食品に触れても安全なNSF H1認証潤滑剤の使用が鉄則です。ご相談をいただいた現場でも、潤滑管理への意識は極めて高く、定期的な給油・給脂が綿密に管理されていました。
しかし、そうした丁寧なメンテナンスをしていながらも、運転中に突発的なトラブルに見舞われるという課題を抱えていました。設備自体の耐久性には定評があり、部品の摩耗・損傷は潤滑管理の課題と考えられていたため、対症療法として給油頻度をさらに高めることで対応されていたのです。
直面していた課題
数ヶ月のサイクルでベアリングの異音や破損が発生し、その度にライン停止となります。同時に、ギアの表面から異常な摩耗粉が検出されるなど、金属同士の過度な摩擦が進行していました。
給油頻度を上げることで一時的には改善が見られるものの、根本的な解決には至りませんでした。メンテナンスコスト(潤滑剤消費量・作業工数)と、突発的な停止による生産ロス・修理費の双方が現場の経営を圧迫していました。
現場の技術者からは「高荷重なライン特性による不可抗力」という認識が生まれていましたが、その裏には、使用されていた潤滑剤が「この環境に最適化されていない」という根本原因が隠れていたのです。
相談のきっかけ
同じくH1認証品を使用している他の現場では、同程度の荷重条件下でも破損が少ないという情報を得たご担当者様が、「潤滑剤の選定方法に差があるのではないか」と近畿インペリアルへご相談いただきました。
潤滑管理は「量」や「頻度」だけでは解決できない—この認識のもと、私たちは現場に足を運び、詳細な調査を開始しました。
弊社からのご提案
現場での詳細な調査を進めた結果、判明したのは「潤滑剤の潤滑性能不足」ではなく、使用環境に対して油膜が長持ちしないことでした。使用されていた潤滑剤は潤滑性能は優れていたものの、高い稼働温度と動きの中でベースオイルが拡散・揮発しやすく、次の給油タイミングを待たずに金属表面が露出(ドライ状態)していたのです。
そこで弊社は、同じNSF H1認証品の中でも、特に金属表面に強く吸着し、油膜が長く留まり続けることに特化した潤滑剤を提案しました。
汎用H1認証
潤滑剤
吸着性が高く
油膜が長持ちする
H1認証潤滑剤
選定のポイント
- 化学的に安定したベースオイル構造により、熱・酸化による拡散を抑制
- 金属表面の微細な凹凸に浸透し、強固な吸着膜を形成する添加剤設計
- 稼働中の油膜の「厚みの維持」と「金属への密着性」の両立を実現
これにより、過酷な稼働条件下でも「油膜がその場に長く留まり続ける」状態を実現し、摩擦係数の安定化を図りました。
改善結果
提案した潤滑剤への切り替え後、数ヶ月にわたる経過観察において、ベアリング周辺の異音やギアの摩耗粉の発生は劇的に抑制されました。金属同士の過度な接触が減少し、境界潤滑状態から適切な流体潤滑へと改善されたことを示す結果です。
最も大きな成果は、それまで「安心のため」と過剰に行っていた給油頻度を大幅に削減できたことです。油膜が長持ちすることが証明されたことで、メンテナンス周期の延長が可能となり、現場の作業負荷と潤滑剤の消費量を同時に低減させることができました。
今回の事例のように、食品グレードという制約条件下であっても、物理的な「油膜の持ち方」に着目した選定を行うことで、既存設備のポテンシャルを最大限に引き出すことが可能です。
お客様の声
ここまで変わるとは思いませんでした。給油の頻度を減らしても、かえって設備が安定するなんて。潤滑剤といえば「兎にも角にも油を足す」という考え方だったのですが、そうではなく「どの潤滑剤を使うか」が重要なんだと気付かされました。
食品メーカー 設備保全ご担当者様
近畿インペリアルからのコメント
潤滑管理は「給油の量や頻度」だけでは解決しません。どれほど頻繁に給油しても、稼働中に油膜が消えてしまえば、金属同士の直接接触による境界潤滑状態に陥り、摩耗は一気に加速します。本事例の課題は「潤滑剤の性能」ではなく「使用環境への適合性」でした。食品機械をはじめ高温・高荷重環境では、油膜が長く留まり続け、金属によく吸着する油種を選ぶことこそが、故障を防ぎコストを削減する最短経路です。創業60年以上・累計約1,000設備の選定経験から、まずは現場の使用条件を正確に把握し、それに合わせた適切な潤滑マネジメントを組むことをお勧めします。
よくある質問
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