導入事例
プラント会社
炉内台車のグリース固着を軟質化で解消|高温下のメンテ工数を大幅削減
超高温でグリースが固着していた炉内台車が、熱でも軟質性を保つグリースへの切替でメンテ工数を大幅に削減した事例です。
炉内台車
炉内台車のグリース固着を軟質化で解消|高温下のメンテ工数を大幅削減
お客様のプロフィール
業種:プラント業
対象設備:炉内台車の軸受(ベアリング)
潤滑課題:超高温によるグリースの固着・炭化
導入の背景
こちらのお客様の炉内台車は、製造工程の中で常に極限の熱にさらされる過酷な環境で稼働しています。台車を支える軸受(ベアリング)には定期的にグリースを給脂し、回転をスムーズに保つ運用が続けられてきました。
しかし高温環境では、給脂してもグリースが本来の役割を果たす期間が短く、現場では「この環境では設備が傷むのは仕方がない」という諦めが半ば常識になっていました。潤滑そのものを見直すという発想にはなかなか至らず、トラブルが起きるたびに対症療法を繰り返す状態が続いていたのです。
直面していた課題
最も深刻だったのは、軸受の回転不良による台車の頻繁な停止でした。台車が止まれば生産ライン全体が停滞し、その影響は工程の上流・下流にまで及びます。原因を調べると、グリースが石のように硬く固まり、ハンマーで叩かなければ除去できないほどの固着が起きていました。
超高温下では、グリースのオイル成分が蒸発・酸化し、残った増ちょう剤や添加剤が熱重合を起こして炭化物(カーボン)へと変化します。この炭化物がベアリング内部に堆積すると、物理的に回転を妨げるだけでなく、新しいグリースの注入経路まで塞いでしまいます。結果として潤滑が行き届かなくなり、最終的には焼き付きに至るという悪循環に陥っていました。
相談のきっかけ
固着したグリースの除去には毎回多大な時間がかかり、状態によってはベアリングごと交換せざるを得ないこともありました。部品代と作業工数がかさみ続ける一方で、根本的な解決策が見つかりません。
「耐熱グリースに替えても、結局は硬くなって同じことの繰り返しではないか」——そうした行き詰まりの中で、設備環境に合わせた適油選定を専門とする近畿インペリアルにご相談いただいたのが、改善への第一歩となりました。
弊社からのご提案
超高温環境では、潤滑成分の熱劣化を完全に防ぐことは物理的に困難です。そこで弊社は「耐熱性を高める」という従来の発想から一歩踏み込み、「熱を受けても軟質性を維持し続ける」特殊グリースをご提案しました。
着目したのは、熱分解後に残る残渣(残りかす)の性質です。一般的なグリースが硬いカーボンを形成するのに対し、ご提案した製品は高温にさらされた後も排出しやすい柔らかさを保つ特性を持っています。
一般的な高温用グリース
(熱で硬く炭化)
熱を受けても軟質性を保つ
特殊グリース
- 熱劣化後も柔らかい状態を保ち、給脂時に古い油が自然に押し出される
- 常に新しい潤滑膜を摩擦面へ供給し続けられる
- 化学的な安定性と、劣化時の物理特性の両面から処方を最適化
潤滑管理の要は、常に新しい油を摩擦面へ供給し続けることにあります。劣化したグリースが柔らかい状態を保っていれば、次回の給脂で古い油が自然に押し出され、有効な潤滑膜を保ち続けることができます。「固まらない」のではなく「硬くならない」——この発想の転換が、固着の悪循環を断ち切る鍵となりました。
改善結果とお客様の声
切替後、台車の稼働停止は大きく減り、あれほど苦労していたメンテナンス作業が劇的に改善されました。以前は固着したグリースの除去に多大な時間を費やし、最悪の場合はベアリングを破棄していましたが、現在はスムーズな給脂のみで良好なコンディションが保たれています。
結果として、メンテナンスサイクルは大幅に延長され、部品交換費用と人件費を合わせたトータルコストの最適化が実現しました。「この環境では壊れて当たり前」という諦めを、潤滑の化学的アプローチが覆した事例です。設備環境に合わせた適切な潤滑マネジメントこそが、突発的な故障を防ぎ、中長期的なコスト最適化に直結します。
お客様の声
この環境ではグリースが固まるのは当たり前だと諦めていました。「硬くならないグリース」という発想は目から鱗で、実際に給脂作業がここまで楽になるとは思っていませんでした。ベアリングを破棄する不安からも解放され、安心してラインを動かせています。
プラント業 設備保全ご担当者様
近畿インペリアルからのコメント
高温環境でのグリース固着は、グリースを「炭化させない」のではなく「硬くなっても排出しやすい状態に保つ」という設計思想で大きく改善できます。耐熱性の数値だけを追うと、熱分解後に硬いカーボンが残り、かえって注入経路を塞いでしまうことがあります。劣化後も軟質性を保つグリースを選ぶことで、設備を交換せずに固着の悪循環を断ち切れるケースは少なくありません。創業60年以上・累計約1,000設備の選定経験から、まずは現場の使用温度と劣化状態を正しく把握することをお勧めします。
よくある質問
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