導入事例
工業用ベルト・ゴム製造会社
加硫ガスの腐食を封じ、軸受寿命を劇的に延ばす潤滑管理
硫黄系ガスによるグリースの化学的変質を抑制し、過酷な高温下での連続稼働を実現した事例
加硫機
Problems
【お客様が抱えていた課題】〜加硫プロセス特有の「化学的腐食」と「油膜切れ」〜
ベルト製造の心臓部である加硫機において、軸受(ベアリング)の短寿命化が深刻な課題となっていました。現場では、給脂後すぐにグリースが真っ黒に変色し、短期間で硬化。その結果、潤滑不良による異音や振動が発生し、最悪のケースではベアリングの焼き付きによるライン停止を招いていました。
プロの診断眼:なぜグリースが”変質”するのか?
多くの現場では「高温による酸化」と片付けられがちですが、本件の核心は加硫ガス(硫黄成分)による化学反応にあります。一般的なグリースに含まれる成分が、高温下で揮発した硫黄と反応し、潤滑構造そのものが破壊されていたのです。特に銅系部品の変色は、硫黄が金属表面を腐食させる「硫化現象」の明白な兆候であり、単に「熱に強い」だけの油種選定では太刀打ちできない物理的・化学的限界を迎えていました。
Approach
【弊社の提案】〜ガスへの「反応性」を排除した、戦略的油種選定〜
現状のヒアリングと劣化サンプルの分析に基づき、私たちは単なる耐熱性の向上ではなく、「加硫ガスに対して化学的に不活性(反応しない)であること」を最優先事項として提案しました。
選定の根拠: 高荷重かつ高温の加硫機内部では、通常の油膜は容易に薄くなり、金属同士が接触する境界潤滑状態に陥ります。ここで一般的な極圧添加剤(硫黄・リン系)を含むグリースを使用すると、外部からの加硫ガスと相まって金属腐食を加速させる恐れがあります。
技術的アプローチ: ベースオイル自体が加硫ガスと反応せず、かつ高温下での蒸発損失が極めて少ない特殊な製品を選定。さらに、増ちょう剤(油を保持するスポンジのような役割)にも熱や薬品に強い構造を持つものを採用し、物理的な油膜保持力と化学的な安定性の両立を図りました。
Results
【結果】〜メンテナンスサイクルの適正化と設備資産の保護〜
新グリースの導入後、まず顕著に現れた変化は「グリースの外観」でした。数週間で真っ黒に硬化していたグリースが、長期間経過後も本来の性状を維持。これにより、ベアリングの異常摩耗や異音は完全に解消されました。
また、懸念されていた銅系部品の硫化腐食もピタリと止まり、部品交換費用の大幅な削減に成功。給脂頻度を過剰に増やすことなく、安定した連続運転が可能になったことは、現場の工数削減という面でも大きなメリットを生んでいます。
設備環境に合わせた適切な潤滑マネジメントこそが、突発的な故障を防ぎ、中長期的なコスト最適化に直結します。
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