導入事例
工業用ベルト・ゴム製造会社
ゴム加硫機の軸受短寿命を解消|硫化変質を抑え連続運転を実現
加硫ガスの硫黄成分でグリースが変質し、軸受が短命化していた加硫機。不活性な油種への切替で硫化腐食を抑えた事例です。
加硫機
ゴム加硫機の軸受短寿命を解消|硫化変質を抑え連続運転を実現
ゴムベルト製造の加硫機で多発していた軸受の短寿命化を、グリースの油種選定だけで抑え込み、安定した連続運転を取り戻した事例です。原因は高温による酸化ではなく、加硫ガスに含まれる硫黄成分とグリースの化学反応にありました。加硫ガスに反応しない特殊グリースへ切り替えたことで、グリースの黒色化・硬化、異音、銅部品の硫化腐食といった一連のトラブルが解消し、部品交換費用の削減にもつながっています。
お客様の概要
業種:ゴム製品・ベルト製造業
対象設備:加硫機の軸受(ベアリング)
潤滑課題:グリースの急速な変質・硬化による軸受の短寿命化
導入の背景
COLUMN | 関連する潤滑コラム 軸受けの異常発熱を招く4つの原因とグリース選定の正しい対処法 「高温が原因」と思いがちな軸受の発熱。粘度・封入量・劣化・種類の4原因と選定手順を整理します。 詳しく読む →ゴムベルトの加硫工程は、製品の品質を左右する重要なプロセスです。その心臓部となる加硫機では、軸受が高温環境のなかで連続的に稼働し続けます。当初、現場では給脂後すぐにグリースが黒く変色・硬化する現象を「高温による酸化が原因」と捉え、耐熱性の高いグリースを選ぶ方向で対策を進めていました。
しかし耐熱グレードを上げても短寿命化は止まらず、給脂サイクルを早めても根本的な解決には至りませんでした。熱対策の枠組みだけでは説明のつかない劣化が続いていたのです。
直面していた課題
COLUMN | 関連する潤滑コラム
ベアリング焼付きの原因5選|潤滑不良を防ぐグリース選定の基本
ベアリングが焼き付く5つの原因と、運転条件に合わせたグリース選定の手順を現場目線で解説します。
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加硫機の軸受では、給脂直後のグリースが短期間で真っ黒に変色し、硬化が進んでいました。潤滑が十分に機能しないことで異音や振動が発生し、最悪の場合はベアリングの焼き付きによるライン停止を招くリスクを抱えていました。さらに、軸受まわりの銅系部品に変色が見られたことも、現場にとって不可解な症状でした。
給脂後すぐにグリースが黒く硬化し、異音・振動からベアリングの焼き付き・ライン停止へとつながるリスク。銅部品の変色も併発し、耐熱グレードへの変更でも改善しない状態が続いていました。
相談のきっかけ
耐熱グレードの変更では症状が改善しないことから、現場では「熱以外に原因があるのではないか」という疑問が生まれていました。そこで、設備環境に合わせた油種選定を専門とする近畿インペリアルへご相談いただきました。
弊社ではまず現状を詳しくヒアリングし、実際に変質したグリースの劣化サンプルを分析。すると、単純な酸化では説明できない化学的な変質の痕跡が確認されました。ここから、加硫ガスそのものに目を向けた原因究明が始まりました。
弊社からのご提案
劣化サンプルの分析から見えてきたのは、加硫工程で揮発した硫黄成分がグリースの構造と反応し、潤滑性能そのものを破壊しているという事実でした。銅部品の変色も、硫黄が金属を腐食させる硫化現象の明確な兆候です。そこで弊社では、単なる耐熱性の向上ではなく、加硫ガスに対して化学的に不活性であること(反応しないこと)を最優先に油種を選定しました。
汎用グリース
(硫黄・リン系添加剤配合)
加硫ガスに反応しない
特殊グリース(耐熱・耐薬品設計)
- ベースオイル自体が加硫ガスと反応せず、化学的に安定していること
- 高温下での蒸発損失が極めて少なく、持続する油膜を保てること
- 増ちょう剤に熱・薬品へ強い構造を採用し、物理的な保持力を確保すること
高荷重・高温の加硫機内部では油膜が薄くなり、金属同士が接触する境界潤滑状態に陥りやすくなります。ここで一般的な硫黄・リン系の極圧添加剤を含むグリースを使うと、外部からの加硫ガスと相まって金属腐食をかえって加速させる恐れがあるため、添加剤の設計まで踏み込んだ選定が重要でした。
改善結果
新しいグリースの導入後、まず目に見えて変わったのはグリースの外観でした。数週間で真っ黒に硬化していたグリースが、長期間経過しても本来の性状を保つようになり、これに伴ってベアリングの異常摩耗や異音は解消されました。懸念されていた銅系部品の硫化腐食も止まり、部品交換費用の大幅な削減につながっています。給脂頻度を過剰に増やさずに安定した連続運転が可能となり、突発停止のリスクと現場の保全工数の両面で負担が軽くなりました。
お客様の声
「高温だから仕方ない」とあきらめていた軸受のトラブルが、グリースを変えただけで嘘のように落ち着きました。黒く固まらなくなったのが目に見えて分かり、安心して設備を任せられるようになりました。
ゴム製品製造業 設備保全ご担当者様
近畿インペリアルからのコメント
加硫機まわりの軸受トラブルは、高温そのものよりも加硫ガスに含まれる硫黄成分とグリースの化学反応が主因となるケースが多くあります。一般的なグリースは揮発した硫黄と反応して変質・硬化し、銅部品の硫化腐食まで引き起こします。耐熱グレードを上げるだけでは解決しないのはこのためで、ガスに反応しない油種設計こそが鍵になります。創業60年以上・累計約1,000設備の選定経験から、まずは劣化したグリースの状態を分析し、設備環境に合った油種を見極めることをお勧めします。
よくある質問
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本記事のような加硫ガス・高温環境でのグリース変質や軸受短寿命のお悩みも、メーカーに縛られない独立した立場で、設備環境に合わせた適油選定をご提案します。見積もり・トラブル相談まで、1営業日以内に専門スタッフが対応します。
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