導入事例
製缶会社
昇降設備のウォームギア、適油選定で摩耗を防ぎコストを最適化
廃版となった高価な指定油に悩む新設ライン。現場調査に基づく適油選定で、性能を妥協せずコストを抑えた事例です。
製缶搬送ライン
昇降設備のウォームギア、適油選定で摩耗を防ぎコストを最適化
新設製造ラインの昇降設備に使われていたウォームギア用の指定油が廃版となり、高価な後継品への切替を迫られていた現場で、現場調査に基づく適油選定により性能を妥協せずコストを抑えた事例です。ウォームギアは歯面が大きく滑りながら接触するため油膜が切れやすく、潤滑不良は摩耗・かじり・固着につながります。極圧性・酸化安定性・低摩擦を軸に最適な潤滑油を選定し、異音・異常発熱のない安定稼働を実現しました。
お客様の概要
業種:製造業(新設製造ライン)
対象設備:昇降装置(ウォームギア駆動)
潤滑課題:指定油の廃版に伴う後継油の選定
導入の背景
新設された製造ラインの心臓部である昇降装置には、ウォームギアが内蔵されていました。その潤滑を担っていた指定オイルが廃版となり、現場は対応を迫られます。推奨された後継品は非常に高価で、社内に潤滑の専門知識を持つスタッフもいないため、判断の拠り所がない状態でした。設備が新しいぶん、トラブルを起こせないというプレッシャーも大きく、油選びは慎重にならざるを得なかったのです。
直面していた課題
COLUMN | 関連する潤滑コラム ギアが摩耗・焼付きを起こす4つの原因と、適油選定で防ぐ方法 ウォームギアの摩耗・かじり・焼付きが起きる原因と、粘度・油種・EP添加剤の選び方を解説した実践ガイドです。 詳しく読む →現場が直面していたのは、「高いが安全とされる油」か「安価だがリスクのある油」かという二択でした。専門知識がないまま高額な後継品を選び続けるべきか、それとも別の選択肢があるのか、誰も明確に答えられない状況が続いていました。
廃版に伴う後継油選びで、高価な推奨品か安価な代替品かの判断を迫られ、根拠を持って選べないまま時間だけが過ぎていました。
一般的な平歯車と異なり、ウォームギアは歯面同士が大きな滑りを伴いながら接触します。摩擦熱が発生しやすく、油膜が非常に薄くなる境界潤滑状態に陥りやすいのが特徴です。潤滑不良は金属同士の凝着(かじり)や異常摩耗を招き、最悪の場合は昇降設備の固着という致命的な故障につながります。
相談のきっかけ
専門知識がないまま高額な油を選び続けることに不安を感じたお客様から、近畿インペリアルにご相談をいただきました。カタログのスペックだけで判断するのではなく、設備の使用環境から油を選び直したいというご要望です。なぜその油が必要なのか、根拠を持って選定したいという思いが、ご相談のきっかけとなりました。
弊社からのご提案
COLUMN | 関連する潤滑コラム ギア油の選び方|密閉型・開放型の違いと適油選定 密閉型ギアに求められる酸化安定性・消泡性など、ギアボックスの構造別に最適な油種を選ぶ判断基準を整理しました。 詳しく読む →カタログスペックの比較ではなく、現場での実地調査を最優先しました。給油方法や頻度、実際の荷重、そして何より「頻繁な更油が困難である」という物理的制約を詳しく分析。単に油種を置き換えるのではなく、設備が本当に必要とする「機能」を定義し直すことから始めました。
- 極圧性の確保:高荷重下でも油膜が押しつぶされないよう、化学的に金属表面を保護する成分を重視
- 酸化安定性の向上:頻繁な交換が難しいため、熱による劣化を抑え長期間性能を保つベースオイルを選定
- 摩擦係数の低減:ウォームギア特有の滑り摩擦を抑え、発熱を減らしてエネルギーロスと摩耗の両方を抑制
廃版となった指定油
(高価な後継品)
現場環境に基づく
極圧・酸化安定型の潤滑油
過酷な環境では、粘度による物理的な油膜だけでは限界があります。そこで金属表面に強固な化学吸着膜(境界潤滑膜)を形成する添加剤配合の油剤を選定。起動時や高負荷時でも金属同士の接触を抑える設計としました。
改善結果
緻密な環境調査に基づいて選定した最適油は、当初推奨されていた高価な後継品と比べて大幅なコストメリットを実現しました。導入後は懸念されていた異音や異常発熱は一切見られず、現在も安定した稼働を続けています。さらに「なぜこの油なのか」という選定の根拠が明確になったことで、将来のメンテナンスへの不安も解消されました。
お客様の声
専門知識がなく油選びに迷っていましたが、なぜこの油なのかという理由がはっきりして安心できました。高価な指定品でなくても性能を保てると分かり、コスト面でも納得しています。
製造業 設備ご担当者様
近畿インペリアルからのコメント
ウォームギアの潤滑は、指定油や高価な後継品をそのまま使うことだけが正解ではありません。歯面が滑りながら接触するウォームギアでは、極圧性・酸化安定性・低摩擦という機能を満たすことが重要で、現場の荷重や給油条件を把握すれば、性能を妥協せずコストを抑えられるケースは少なくありません。創業60年以上・累計約1,000設備の選定経験から、まずは使用環境を整理することをお勧めします。
よくある質問
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