ISO VG(粘度等級)の読み方と選び方|失敗しない4つの確認軸
設備の潤滑油を選定する際、ラベルやSDSに記載された「ISO VG 46」「ISO VG 68」といった粘度等級の数字は、潤滑性能を左右する重要な指標です。一方で、この数値が具体的に何を示し、どの条件で等級を上げ下げすべきかは、現場でも判断が分かれる場面があります。本記事では、ISO VGの数値の読み方から、運転温度・負荷・回転数といった条件に応じた粘度の選び方までを整理します。粘度のミスマッチによるトラブルを未然に防ぎ、設備に合った一本を選ぶための実務的な判断軸をお伝えします。
ISO VG(粘度等級)とは|数値の意味と読み方
ISO VGは、工業用潤滑油の粘度を分類する国際規格ISO 3448に基づく粘度等級です。「VG」はViscosity Grade(粘度等級)の略で、後ろに付く数字が粘度の高さを表します。まずは、この数字が何を基準にした値なのかを押さえておきます。
ISO VGの数字は「40℃の動粘度」を表す
ISO VGの数字は、その油の40℃における動粘度(単位:mm²/s。cStと同義)の中心値を示します。たとえばISO VG 46であれば、40℃での動粘度がおよそ46mm²/sということです。数字が大きいほど粘度が高く(硬く)、小さいほど粘度が低く(やわらかく)なります。
基準が40℃なのは、多くの産業機械の油温が定常運転で40〜60℃前後に収まることが多く、比較対象として実用的だからです。粘度は温度で大きく変化するため、「何℃での粘度か」を固定しなければ等級として比較できません。ISO VGはこの基準を40℃に統一しています。
±10%の許容幅と等級の刻み方
各等級には±10%の許容幅が設けられています。ISO VG 46なら41.4〜50.6mm²/sの範囲に収まる油が「VG 46」と表示されます。つまり同じVG 46でも、メーカーや銘柄によって範囲内で多少のばらつきがあります。
| ISO VG | 中心値(mm²/s) | 40℃の動粘度範囲 |
|---|---|---|
| VG 32 | 32 | 28.8〜35.2 |
| VG 46 | 46 | 41.4〜50.6 |
| VG 68 | 68 | 61.2〜74.8 |
| VG 100 | 100 | 90.0〜110 |
| VG 150 | 150 | 135〜165 |
| VG 220 | 220 | 198〜242 |
等級は、隣り合う番号でおよそ1.5倍ずつ粘度が変わる刻みになっています(VG 32→46→68→100…)。一つ上の等級にすると粘度はおよそ1.5倍になる、という感覚を持っておくと、選定時の調整がイメージしやすくなります。
ISO VGの数字は40℃の動粘度(mm²/s)の中心値です。数字が大きいほど硬く、隣の等級でおよそ1.5倍ずつ変化します。各等級には±10%の幅があります。
粘度が低すぎるとどうなるか
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選定した油の粘度が運転条件に対して低すぎると、金属同士を隔てる油膜が薄くなり、十分な潤滑膜を保てなくなります。
油膜が不足すると金属接触が増え、摩耗や焼き付きにつながります。高負荷・低速の条件では特に油膜が切れやすく、軸受やギヤの早期損傷を招くことがあります。
粘度が高すぎるとどうなるか
逆に粘度が高すぎると、油が流れにくくなり攪拌抵抗が増します。
起動トルクの増大や発熱、ポンプ負荷の上昇によるエネルギーロスが生じます。低温始動時に油が硬すぎると、必要な箇所まで油が届かず油膜切れ(供給不足)が起こることもあります。

